PATLABOR Room
機動警察パトレイバーについて、語ってみました♪





『WXV PATLABOR THE MOVIE 3』(2002/04/10 作成)

<WXV(ウェイステッド・サーティーン[wasted thirteen])=廃棄物13号>

かなり高い完成度の作品で、画質、音楽(川井憲次氏)、無駄のないシナリオ、人間関係(ドラマ)、日常の描写、セリフの重要性、犯罪原因、廃棄物13号の迫力など・・・素晴らしい出来です。
「これこそが、劇場版の醍醐味だ!」ともいうべき 仕上がりでした。
前作以上に、重くて悲しい事件(犯罪・ドラマ)で、見終わった後しばらくこの悲劇が頭から離れませんでした。(涙
人の愛情というものは、恐ろしいです。あんなモノを作ってしまうのですから。(怖っ)

WXVは、パトレイバーの世界観を借りた別の作品(ドラマ)だと思います。
P2(劇場版2作目)の時もそうでしたが、完璧に大人が見るレベルの人間ドラマで、
レイバー(メカ)は、必要最小限の登場で、ほとんど出番なしでした。
イングラムも、前作同様 最後の戦闘シーンのみ・・・
廃棄物13号(以下、WXV)の原作の中から、グリフォン編の要素を上手く取り除かれていました。
それでいて、WXVオリジナルの要素も組み込まれていて、よりサスペンス的になってました。
にしても、現実味あるキャラの演出方法は見事。
ちょっとしたセリフの中にも、その人の過去が見え隠れしている・・・
部屋のレイアウトまで、キャラに合わせて現実的に きちんと描かれていました。
それだけで、その人は“どういう性格”で“どういう人生”を歩んできたのか 考えたくなります。

原作から変更された点は、
●原作の「西脇冴子」は結婚して「岬冴子」に改名していて、
冴子の夫と娘がふたりともガンで死亡していること。
●WXVは、ただ単にニシワクセルの細胞組織を弄っただけでなく、
ニシワキトロフィンと冴子の死んだ娘(一美(ひとみ)のガン細胞との融合体であること。
●WXVの好物である高周波は、グリフォンのOS アシュラではなく、一美(WXV)が生前 ピアノでよく弾いていた曲の高周波になっていること。
そして、その高周波が、レイバーのモーター駆動音が発するものや、アナログレコードのものに同じ周波数があり、それがシャフト製だったり、ディスコのサウンドだったりするわけです。
あげれば まだ出てきますが、次に行きますね。

この作品を見てよく出来ているなぁと思ったことは、もっとあります。
●冴子が、このWXVを作った動機が、娘(一美)への愛情であること。(かなり歪んではいますが)
●ヒロインである冴子の内面の演出方法。(ほんとに凝っている。)
冴子が部屋でビデオを見ている姿は、本当に魂がなくなった抜け殻のようだった。
(もう二度と戻ってこない幸せだった日々(ビデオ)を、何回も何回も繰り返し見ていたんだろう)
壁の前面に貼られている娘(一美)写真は、彼女の唯一の心の支えであることが覗える。
●秦真一郎の恋心の描写や、この事件後禁煙していたタバコを再び吸い始めているという心境の変化。
●久住武史の寝ている姿は、彼の過去がどういうものであったか・・・ということを考えさせられるシーンでした。
そういう一瞬のシーンでも、気を抜かず凝った演出をしていました!
この積み重ねこそが、ここまで高い完成度に仕上げたのでしょう。
●久住&秦 両刑事がとってもパトレイバーの味を出していました。(笑)
●軍&警察の上層部でなにやら怪しいことをしているという現実感。(笑)
そして、特車2課第2小隊も、警察・自衛隊又は政府という組織の一部だということの表現方法。
●自衛隊=軍隊ということ。 例えば、WXVをドーム(最終ステージ)におびき寄せた自衛隊所属の水中レイバーを、石原一佐の命令ひとつで 同じ自衛隊の人間が 対レイバー用ライフルで撃墜するシーン(パイロットは即死)、WXVを躊躇することなく焼き殺して止めを刺すシーン・・・などです。
●WXVをドーム(最終ステージ)におびき寄せに使った自衛隊所属の水中レイバーの高周波発生装置を故障させることで緊張感とリアリティを増すという演出。
こういう凝ったシーンがいくつもあり、それが作品全体をさらに良いものにしている。
●石原一佐(陸自)が、証拠隠蔽のために、栗栖所長を海外へ逃がそうと航空キップを渡すシーンは、現実味が出ていました。 声優さんの演技と絵の演出が光るシーンでもありますね。
●キャラのセリフの重み。(後で「あのときのセリフは、こういう意味だったのか」という感じや、「この人はどういう人なんだろう」というキャラの息遣いや部屋の雰囲気など)
●人の描き方、カメラ・アイ。(後姿だけ映し、そのキャラの表情を見せないことで語る方法)
●物や建物の現実的な景色。(近代的な建造物の前に畑があるという現実味ある風景など)
●パトレイバーの世界観を漂わせる「バビロンプロジェクト反対!」の看板。(笑)
●パトレイバーではおなじみの鳥が羽ばたいている姿。(笑)
●生物研究に関する専門用語があたりまえのように出てくることにより
これまでの怪獣映画とは段違いでリアリティが増大していること。
●洋画風演出効果で、WXVの(襲ってきているという)恐怖が肌で感じられること。
●ここ最近 軽く見られがちな「人が死んでしまった」という悲しさ。
冴子が死ぬシーンは、異様な雰囲気が漂っていた。(怖くて鳥肌が立ったほど)
●WXVが地上用高周波発生装置を破壊しているシーンが、小さい子供(一美)が装置と遊んでいるように見えるという演出の上手さ。
●ラストステージになったドームのモニターに流れた一美のビデオは戦略としては有効なんでしょうが、本人のことを考えると・・・残酷です。
●WXVのサイレン(着込んでいるレイバーの名前)の装甲が剥れた時に見えた、女性(一美)であることの証の乳房・・・(怖っ)
●最後まで手に汗握る緊張感や、人が存在している(生活している)という質量感。
●WXV(一美)の悲哀な断末魔。(WXVの中で一美が生きているという感じ)
そして、ED後の余韻。(見終わった後に来る充実感)等々、これだけでは語り尽くせないほどでした。

やっぱ、映画館で観るのと、家庭で観るのとでは、迫力が全然違いますね。
かなりの段違いでした。^^
WXV、機会があれば、あと3回くらいは観に行きたいです♪



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